新しく作った社内規程が、上位規程や法令とズレていないか AI にチェックさせてみた
改定したばかりの「情報セキュリティ管理規程」を、上位の基本規程・就業規則・個人情報保護法と突き合わせ。どの条文がどこと矛盾しているかを、根拠つきで AI に洗い出してもらいました。
精密NC工作機械の仕様書を、外為法輸出令別表第1〜4・米国 EAR Commerce Control List と自動照合。性能パラメータと規制閾値を観点ごとに突き合わせ、根拠条文・EAR 項番つきで該非を判定。該非判定書ドラフトまで生成しました。
「製品仕様書を渡すと、外為法の輸出令別表や米国 EAR の Commerce Control List と照合して、該非判定書のドラフトまで作ってくれる——」。 そんな使い方が INDX Compliance で実際にできるのか、輸出管理担当者と一緒に試してみました。本物の操作画面とともにご紹介します。
輸出管理部門が毎回頭を悩ませるのが、新製品の輸出前に必要な「該非判定」です。製品・技術が外為法(輸出令別表第1〜第4)や米国 EAR(Export Administration Regulations)の Commerce Control List に該当するかどうかを、性能パラメータと規制の閾値を1項目ずつ照らし合わせて判断します。
難しいのは、確認すべき規制リストが多岐にわたる点です。国内の輸出令別表・外国為替令別表だけでなく、米国 EAR の CCL カテゴリ・国別チャート・De Minimis ルール・最終需要者規制と、重ねて確認すべき法令が複数存在します。しかも、精度・速度・材質といった数値の閾値が細かく規定されており、仕様書の記載をそのまま持ってきても「どの項番に引っかかるか」の判断は、法規制の解釈知識と経験を要します。
さらに、判定の根拠を「なぜ非該当と判断したか」も含めて記録しなければ、税関や経済産業省への説明が困難になります。根拠が属人的なメモにとどまっていると、担当者の異動や退職で判断の再現性が失われてしまいます。
ぶつかっていた課題
まず INDX Compliance の「輸出管理テンプレート」を開きます。テンプレートにはすでに外為法輸出令別表第1〜第4・外国為替令別表・EAR CCL Part 774が照合対象として組み込まれており、新しいワークフローを一から作る必要はありません。 ここで製品仕様書(PDF/Word)をアップロードし、「確認・保存」を押すだけです。
テンプレートの中身は4ステップです。まず仕様書から性能パラメータを抽出し、次に規制リストの閾値と照合、根拠条文を引用しながら信頼度とともに判定を出し、最後に輸出管理担当者が最終確認します。このワークフローは一度作れば繰り返し使い回せるので、次回以降の製品は仕様書を差し替えるだけで同じ観点が走ります。
該非判定テンプレート(輸出管理部 標準)
製品仕様書をアップロードすると、外為法輸出令別表・米国 EAR CCL との照合を自動実行し、項目ごとに根拠条文つきで該非を判定。該非判定書ドラフトまで生成します。
01製品仕様書・パラメータシートを取り込み
アップロードされた仕様書(PDF/Word)から性能パラメータ・材質・用途を自動抽出
02輸出令別表・EAR CCL と照合
外為法輸出令別表第1〜第4、米国 EAR Part 774 Commerce Control List の該当品目と対比
03根拠条文・リスト引用つきで判定
判定の根拠となった輸出令条文・EAR 項番を原文引用とともにスコア化
04輸出管理担当者による最終確認
「要確認」「該当(規制あり)」の項目だけを担当者に回し、承認/差戻しを記録
照合対象(規制リスト)
専門的なプログラミング知識は一切不要です。テンプレートの照合対象や判定ステップは、現場の輸出管理担当者が直接確認・編集できます。規制改正があった際も、照合対象リストを更新するだけで、次の実行から最新の規制に基づいた判定が走ります。
仕様書をアップロードして実行すると、AIが製品の性能パラメータを仕様書から抽出し、規制リストの閾値と照合します。結果は7つの観点ごとに「非該当・要確認・該当(規制あり)」のステータスで一覧に並びます。
このUIの最大のポイントは、すべての判定に「どの規制リストの・どの条文・項番が根拠か」が必ず添うことです。たとえば「輸出令別表第1-3(1)(ロ) に該当」と判定された場合、その条文の原文と、仕様書の数値がどのように閾値を超えたかが、その場で確認できます。AIの判断を鵜呑みにせず、規制の原文で人が確かめられる設計です。
外為法輸出令別表第1〜4 / EAR CCL Part 774 / EAR Part 736・738 と照合
該非判定 一次チェック結果
2026-04-08 実行 | 7 観点 | 製品仕様書 v2.3 (38p)
3
非該当
2
要確認
2
該当(規制)
外為法に基づく輸出令別表第1第3の項において、位置決め精度が 6μm 以下かつ真直度が 4μm 以下の数値制御工作機械は規制対象となる。当該貨物は許可申請なしに輸出してはならない(輸出貿易管理令第2条第1項)。
本製品の位置決め精度(公称 3.8μm)が輸出令別表第1-3(1)(ロ)の閾値 6μm を下回り、リスト規制に該当。許可申請が必要。
今回 AI が検出したのは、精密工作機械の位置決め精度(3.8μm)が輸出令別表第1-3(1)(ロ)の閾値(6μm)を下回り、リスト規制に該当する件と、X軸送り精度(0.6μm)が EAR 2B001.b.1 の閾値(0.9μm)を下回り ECCN 該当となる件の2つです。どちらも許可申請が必要な規制違反であり、輸出前に必ず確認すべき項目です。
AIが非該当と判定した3観点は、根拠条文つきで確認済みとして記録されます。輸出管理担当者が頭を使うのは、「該当(規制あり)」2件と「要確認」2件の合わせて4観点だけです。担当者は「需要者確認書の提出」「EUC(最終需要者証明書)の取得」を申請者に差戻し、書類が揃った時点で AI を再実行し、要確認が解消されたことを確認して、最終承認しました。
最終レビュー(輸出管理担当が確定)
根拠:輸出令別表第1-3(1)(ロ)・信頼度 91%
位置決め精度(3.8μm)が規制閾値(6μm)を下回り、リスト規制に該当。経済産業大臣への個別許可申請が必要。
輸出管理担当が確認するのは「該当・要確認」の4観点だけ。非該当3件は根拠つきで確認済みとして記録され、判定に集中できます。
監査ログ(改ざん不可)
製品仕様書 v2.3 (38p) を解析し、7観点で一次判定(非該当3 / 要確認2 / 該当(規制あり)2)。輸出令別表第1-3(1)(ロ)・EAR 2B001.b.1 への該当を検出
hash a1c4…9e
7件の根拠引用を原文チェック。全件で条文実在を確認。信頼度 67% 未満の2件を「要確認」に自動降格
hash d7f2…3b
「輸出令別表第1-3(1)(ロ) 該当」「EAR 2B001.b.1 該当」を確認。個別許可申請を起案。「需要者確認」「EUC 取得」を要確認案件として申請者に差戻し
hash b8e1…f7
最終需要者証明書(EUC)と用途確認書を添付して再申請。AI 再実行で「要確認」2件が解消
hash c3a0…52
全7観点の確認完了。該非判定書(パラメータシート)を正式承認・発行。個別許可申請へ移行
hash e5d9…14
一連の操作と判断はすべて改ざんできない監査ログ(追記型・ハッシュ連鎖)に記録されます。「いつ・誰が・どの条文を根拠に・どう判断したか」が後からたどれるので、経済産業省への個別許可申請や、税関での事後確認にもそのまま使えます。また、この監査ログから該非判定書(パラメータシート)のドラフトを自動で出力でき、人手での転記作業が不要になります。
熟練担当者が数日かけていた一次判定の工数が、仕様書アップロードから該非判定書ドラフトの確定まで2時間以内で完了しました。何より、複数の規制リストを横断して確認すべき項目の漏れがなくなったことと、根拠条文が自動で記録されるようになったことが、担当者にとっての最大の変化でした。
仕様書アップロード〜ドラフト確定まで
輸出令条文・EAR 項番を原文で確認
非該当3件は根拠つきで素通し
この事例のポイント
今回は輸出管理の該非判定の事例でしたが、INDX Compliance の使い方はどれも同じです。「ものさしになる文書(輸出令別表・EAR CCL・外為令)」と「確認したい文書(製品仕様書・パラメータシート)」を渡し、根拠条文つきで突き合わせる。ISO 認証の要求事項チェック、社内規程の適合確認、契約書のリスク条項レビュー——ルールとの照合が発生するあらゆる業務に、同じ手順がそのまま使えます。
輸出管理は規制の改正頻度が高く、担当者の負担が増し続ける領域です。AIが一次判定と根拠収集を担い、人が「難しい判断」だけに集中できる仕組みを、ぜひ一度お試しください。
お手元の規程・契約書・申請書をお持ちいただければ、実際の判定画面でデモいたします。 閉域環境・オンプレ設置にも対応します。
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